東京大学 サステイナブル キャンパス プロジェクト室ウェブサイト

tscp

取り組み概要

<取り組みの進捗状況については、こちらをご覧ください。>

1.基本理念

東京大学では、従来から有している知的資源を活かし、研究と教育の活性化を図りつつサステイナブルなキャンパスの実現に向けて、東大サステイナブルキャンパスプロジェクト(Todai Sustainable Campus Project, TSCP)として先導的な試みを実践することで、サステイナブルな社会の実現への道筋を示したいと考えております。
TSCPが対象とすべき環境負荷は多岐にわたりますが、今日の問題の緊急性、困難性と大学が先導的役割を果たす必要性の高さから、温室効果ガス排出削減による低炭素キャンパスづくりを当面の最優先課題として取り組んでまいります。
温室効果ガス排出の少ないキャンパスを実現するために、的確な状況把握(サステイナビリティ・モニタリング)を行いながら、低炭素化を実現するために的確な対応設計(サステイナブル・デザイン)を実施するとともに、総合的な実施・評価を行います。これにより、今後目指すべき持続型社会モデル(サステイナブル・社会モデル)を提案していきます。またこれらの相互関係や相乗効果を勘案し、同時進行的に効果的・効率的に実行する“共進化システム”を構築し、これらを通じて、持続可能な低炭素社会を目指すわが国のモデルケースを教育機関として実現します。また、国内外の大学間のネットワークを通じてこれらの試みを世界的な大学の動きにつなげていくと共に、その動きを社会へと波及させていく。さらに社会における低炭素型の技術と対策の普及をリードすることによって、低炭素社会実現に向けて経済的な波及効果をもたらすことをめざしております。


図.共進化システムの構成

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2.東京大学における温室効果ガス排出の現状

東京大学のうち、一定規模以上の建物を有する5キャンパス(本郷、駒場1,駒場2,白金、柏)におけるエネルギー由来の二酸化炭素年間排出量は、約13万6000ton-CO2/年となっております。このCO2排出総量は、日本全体の排出量の0.01%、すなわち1万3000人分程度に相当しております。また二酸化炭素年間排出量の内訳については、79%が電力、19%が都市ガス、2%が石油となっております。
5キャンパス平均の床面積あたり二酸化炭素排出量は0.10 ton-CO2/m2となっており、東京都の業務系事業所の平均的な値と同程度の値となっておりますが、特に延床面積の大きな本郷キャンパスは、総量としては東京都の業務系事業所の中では最大の二酸化炭素排出者となっております。また一方で、東京大学が保有し維持管理を行っている演習林というものがあります。この演習林は、5キャンパスの排出量合計の50%以上に相当する約75,000 ton-CO2/年の二酸化炭素吸収能があると推定されております。東京大学としては、この吸収能力の大きさを認識・維持しつつも、それとは独立してキャンパスからの二酸化炭素の排出量削減に積極的に取り組んでまいります。
二酸化炭素排出の主たるエネルギー源となっている電力については、現時点で入手可能な情報に基づいて推定すると、 用途別の電力消費量の実態は、約3割強が実験機器、3割が空調、2割が照明、2割弱がその他の一般機器となっております。また床面積あたりの電力消費量は、理科系部局で20 kWh/月・m2(240 kWh/年・m2)、文科系学部で6 kWh/月・m2(72 kWh/年・m2)程度となっております。
2006年度のエネルギー使用量実績値に、換算係数として、電気:0.368kg/kWh、都市ガス:2.31kg-CO2/m3、A重油:2.71t-CO2/kℓを用いて計算した排出量総量になります。

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3.温室効果ガス排出削減の可能性

現状保有する情報を用いて、概略の電気・ガス・重油・上下水についてのエネルギー消費実態を捉え、CO2削減の具体的対策について、各種原単位などを利用しながら、各々の機器・システムにおける省エネ対策や効果予測を項目別に整理・集計しました。この集計結果に基づいて、低炭素化とともにライフサイクルにわたっては省コストにもなる対策を先行的に進めることにしております。具体化されている対策については、まず大型熱源機器の更新、照明器具の人感センサー設置、部分的に未更新となっている蛍光灯器具の高効率化、一般冷蔵庫の更新、個別空調(ルームエアコン)の更新を挙げておりますが、さらなる追加対策も含め、今後検討を進めていきたいと考えております。

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4.アクションプラン

(1)TSCP-2012

2008年度から2012年度にいたる5年間という第一フェーズであるTSCP2012では、2006年度に比べ2012年度には非実験系の二酸化炭素排出量の15%削減(大学全体の二酸化炭素排出量に対する削減率13%)を目標にしております。具体的には、1~4に示す考え方・対策を通して実現したいと考えております。

  1. 電力計設置(見える化)による教育・研究活動の増加にともなう排出量増分の抑制
  2. 省エネ機器への更新支援
    • 投資回収年数が機器更新年数の半分以下のもの
    • 年間CO2削減量と初期投資額との比が大きいもの
    • 回収年数が4年を超える分は,初期投資の補助も考える
    • 大型熱源系の省エネ化により約6%削減(初期投資額合計約5億円)
    • 照明・個別空調・冷蔵庫などの更新により約7%削減(初期投資額合計約26億円)
  3. 大量調達による省エネ機器導入普及モデルの作成
  4. 初期投資が回収でき,その後は光熱水費が削減できるその他対策も含め実施

(2)TSCP-2017

TSCP2030(2006年度比CO2排出量50%削減)達成に向けて、第二フェーズ中間目標(TSCP2017)を定め、試行的な取組も交えながら2030に向けた方向性を検討します。TSCP2017は、非実験系設備及び先端的実験設備を除く基盤的実験設備を対象に全学のCO2排出量を2012年度比で5%削減を目標にしております。具体的には、1~5に示す対策を通して実現したいと考えております。

  1. 実験系設備の導入調査とその削減効果検討
    • 基盤的実験設備(フリーザー、計算用サーバ、ドラフトチャンバーなど)を対象、先端的実験設備は削減対象外とし、節電運用の徹底を図る
  2. 非実験系設備における高効率化の継続
    • 空調熱源(中央・個別方式)、ボイラーの更新、LEDの導入などを実施
  3. 創エネルギー・未利用エネルギーの導入
    • 太陽光発電などの試験導入、井水の熱利用など
  4. ソフト対策の強化
    • 「見える化」の更なる推進、建物ごとのエネルギー管理者(教員)の選任など
  5. 新設建物に対する高効率仕様の徹底
    • TSCP指針の義務化、BEMS整備の徹底など

    (3)TSCP-2030

    TSCP2012以降、2030年度を目標年次とした第二フェーズとしてTSCP2030を計画しております。TSCP2030では、2006年度に比べ二酸化炭素排出量の50%削減を目標とし、2012年までにその具体案を検討いたします。現段階では、TSCP2012の期間中においては、対象とならなかった機器を含め、機器劣化更新時を捉えた高効率化、コストを含めて実用段階になかった技術の導入、更に創エネルギー(太陽光発電など)を本格化させていきたいと考えております。

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    5.社会との連携に向けて

    学内においては、全学組織であるエネルギー研究ネットワークを活用し、構成員である教職員・学生の積極的な関与を促進するための研究助成や多様な実践活動の助成を行うとともに、教育へも反映していきたいと考えております。また、国内・国外の大学と連携を取るとともに、競争することによってトップランナー的に低炭素化を進めていきたい考えております。

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